ラミネーターの加熱方式

ラミネーターは電気で熱を発生させ、ラミネートフィルムの糊を溶かし、ローラーで圧縮しながら密着して仕
上げます。このラミネートフィルムを加熱する方式にもいくつかあり、それぞれ特徴があります。

内部加熱方式(ローラー内部加熱)

ローラーの内部にヒーターがあって、内側から加熱する方式。ヒーターが見えないので、見た目の構造は非常にすっきりしています。
熱源がローラーの中心にあるため、ラミネートフィルムと接触する円周部と距離があり、熱伝導にタイムラグが発生するため、温度が不安定になりがちです。また、同じ理由でウォームアップに時間がかかるのが難点となっています。

ヒーターチャンバー方式(ローラー外部加熱)

ローラーをチャンバーで囲って外側から加熱する方式です。(チャンバーとは「小さな部屋」「~室」という意味です)
フィルムと接触するローラーの外側から温めるので、温まりやすく、現在の主流となっています。特に2本ローラーのほとんどはこの方式です。よく仕様に「外部加熱方式」と記載がありますが、その場合は通常はこの方式を表していることが大半です。
ヒーターには石英管やハロゲン管など、赤外線を多く発する熱源を使用します。ヒーターが高温になるため、うっかり巻き込みをしてヒーターに接触した場合はラミネートフィルムや原稿が焦げてしまうことがあります。
また、立ち上がりは速いのですが、熱の伝わり方が表面的なため、出力の小さなラミネーターでは、連続加工をした場合は熱不足になりがちです。

平板ヒーター式

前後2本のローラーの間に、板状のヒーター2枚をフィルムを挟むように配置して加熱する方式です。メリットとして、構造が簡単で、立ち上がりが早く、温度管理が安定的にできることが挙げられます。
デメリットとして、空気が抜けづらく、特に写真のラミネートでは気泡が残ってしまうことがあるため、写真のラミネートには不向きです。空気が抜けづらい理由ですが、ヒーターでラミネートフィルムの糊を溶かしたあとにローラーで圧着するため、糊が溶けた時にフィルムの間に残った空気が抜けづらくなります。これに対しローラーが加熱する機種では、糊を溶かすのと同時にローラーで圧着するため、フィルムの間に空気が残りにくくなっています。

ベルト方式

ブルトーザーのキャタピラのようにローラーをベルトでくるんでラミネートする方式です。ローラーの間に空間がなくなるため、故障の主な原因である巻き込みがほとんど発生しません。ただし、機構が複雑になることと、ベルトを考慮するため、ローラーの圧力調整が難しいというデメリットがあります。

平板ヒーター前方延長方式

平板ヒーターの一部が前のローラー側に伸びて(延長して)ローラーを包み込むように温める方式です。前側のローラーを間接的に温めてフィルムに予熱を加えて、後方の平板ヒーターで仕上げます。熱安定性にすぐれ、空気の抜けもよい方式です。

平板ヒーター+ローラー間接ヒーター方式

平板ヒーターで、フィルムに予熱を加えたあと、後方のローラーでも熱を加えて圧着させる方式です。2種類のヒーターをもっていて2段階でスムーズに熱を加えるのが特長です。このため、よりスピーディーな加工が可能です。また、徐々にフィルムの温度を上げることで、フィルムの変形・反りを防いでより美しい仕上がりを実現します。
さらに後方のローラーで熱圧着するため、反ったフィルムが内部で詰まることを防止します。
この方式はフェローズの独自方式でオフィス向けラミネーターに利用されています。
フェローズA3ラミネーター「Jupiter A3」

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